「ねぇ。
君たち」


遊園地の中に入る直前に声をかけられた。


私と修は、振り向いた。


一組のカップル。


恋人同士かな?


「なんですか?」


修は、睨むようにそのカップルに聞いた。


私は、男を観察した。


なんとなく修に似てたから。


気のせいかな?


「榊 修って、名前?」


榊?


なんで?


この人、知ってる?


「えっ?
俺は、中畑 修ですけど。」


男は、不思議そうに修を見た。


確信が合って話しかけたのだろう。


「なんで、榊じゃないわけ?」


「あの。
なにが言いたいのか....」


修は、困っている。


「亮、人違い?」



「んな、わけない。
だって.....。
お前に痣はないか?」


なんか、焦ってるみたい。


てか、痣って.....


榊家の.....


「ないですよ。」


修は、気づいてないみたいだ。


「あの、榊の人間なんですか?」


私は、思い切って聞いた。


「?
俺は、捨てられっ子。
じいちゃんに昔言われた。
家の代々の跡継ぎには、この痣ができるって。」