「てか、孝知は?」


「俺?
まあ、どうにかしたい奴は、いるな。」


孝知は、不適な笑みを浮かべた。


「その顔を見ると、悪巧みを考えてるようにしか見えないんだけど。」


「俺から逃げるあいつを捕まえたいだけだよ。」


孝知から、逃げる奴?


そんなの居たっけ?


「誰だよ。」


全くわからん。


「唯一、俺に奇声を発して逃げる奴だよ。」


孝知は、思い出したように笑っていた。


俺は、思い出していた。


孝知から、逃げる子。


奇声を発する子かぁ。


あっ!



いた。


「あの子か?
小さくて天然ぽくて、危なっかしい。」


「そうそれ。」


「てか、名前なんだっけ?」


基本的に俺は、朱菜以外の女には興味ないから。


覚えらんないんだよね。


覚える必要もないけどさ。