「なにかあったんですか?」


…あ、やばい

頭痛い…



『…咲姫?』

「ガチャンッ」



…受話器が落ちる音がした

もうそこからは記憶がない



『咲姫ッ!?』




もう翼さんの声も聞こえなくなった



ふわふわふわふわ…

足元が不安定

ふわふわふわふわ…

目の前が真っ暗

翼さんの背中だけが見える…



翼さん…


その隣の女の子は誰?




隣にはかわいい女の子



待ってください…置いていかないで…




「咲姫…」




近くでさっき遠くで聞こえていた声がした




「…」




目をあけるとベットの上で

なんでここにいるのか考えるのに時間がかかった



「…あ…れ?」


右手に違和感があった

視線をずらすとそこには大きな手



「翼…さん?」




「…んぁ?…あー俺寝てたし…」




ぴょんとはねた髪の毛を手でぐしゃぐしゃして

直す翼さん