「…ん…ッ」
暗くて見えないよ…
翼さん…
今、どんな思いなの…?
…あたしは…嫌だよ…
「…ッ」
なかなか離れない唇
怖い…
翼さん…
「…ん」
涙があふれているのに気づいた
壁に押し付けられてキスされて
なんでか涙が出てくるの…
「…なんで泣いてんだよ…」
「…ッ」
やっと離れた唇…
暗闇にも目が慣れて翼さんの顔が見える
見えるのにゆがんでる…
「…ぅ…」
涙が次から次へと流れて
頬を伝っていく
「…え」
翼さんの手が頬に触れる
…なんで…
「もういい」
「え」
「部屋に戻れよ」
「え…?」
…なに…?
「ばんッ」
横で乱暴にドアが開く音がした
…な…なんで…
「ぎゃッ」
急に腕をつかまれて部屋から出される
「…翼さん?」
あたしが言い終わる前にドアがしめられた

