それは何事も無いような平凡な日だった。



今思えば朝からおかしかった。



「あ、雫?」

「お!洋太じゃん。どうした珍しいな。」



朝家の前にいた洋太。



珍しい…。



「なんか胸騒ぎがしてな。」

「へぇ~…。珍しいな洋太が胸騒ぎなんて。」

「確かに…。」



洋太がこんな風になるのは、本当に珍しい事。



「あ、時間だ。」

「じゃあな雫。」

「おう!行ってくる!!」



あたしは元気よく飛び出した。



この時、何かしらに気付くべきだった。



あんな事件が起るその前に…。