いつでも逃げられる

その日の夜。

私が監禁されて、二回目の夜だった。

「ねぇ」

…思えば、それは私が初めて自分から男に話しかけたように思う。

「貴方、何の為に私を監禁したの?」

「…監禁なんてしていない」

男の声に怒気はなく、いたってニュートラルだった。

「今は目隠しや手錠をしているけど、加奈子ちゃんが僕を信頼してそばにいてくれるなら、それは全部外して自由にしてあげるつもりだ」

…意味がよくわからない。

「貴方は私を監禁して、いやらしい事をしようとしているんじゃないの?無理矢理犯したり、奴隷同然に扱おうとしているんじゃないの?」