いつでも逃げられる

体に重みを感じる。

男は私の体に馬乗りになっていた。

「いいかい、加奈子ちゃん」

ヒタリと。

私の首筋に冷たい感触が触れた。

ナイフか、カッターか…何らかの刃物の感触には間違いなかった。

「僕は加奈子ちゃんを愛でたいだけなんだ。君がおかしな抵抗をしなければ、嫌がる事はしないし暴力だって振るうつもりはない…だけど加奈子ちゃん…君があくまで反抗的な態度をとるなら」

ジョギリ。

布を切断する音に、私は身を竦ませた。

「僕も少しキツイ態度をとらなきゃいけない…その事を忘れないで」

ジョギリ、ジョギリジョギリ。

音からして鋏だろうか。

ゆっくりと、私の制服を切り裂いていく…。

「手錠を外したら、きっと君は抵抗するだろうから…制服は悪いけど切らせてもらう…服も手錠したままじゃ着せられないから…下着のままで我慢してね…」