やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】



「まぁまぁ、大和が見つかったんだからよかったじゃん。龍一もそんなに怒るなよ。」



真木ヒナタが、間に入る。



「・・・ところで、俺が、家出したことになってたのに、サブの家でみんな集まって何してるの?」



組長が、部屋の中を見渡しながら聞いた。



「・・・大事な勝負です。」



執事が、気まずそうに答えた。



「・・・まさか、俺が家出してたの忘れて遊んでいたわけじゃないよね?」



組長の言葉に部屋にいたみんなが顔を見合わせる。



「・・・ち、違いますよ、大和・・・・・・中に入ったらどうですか?」



執事が、少し焦りながら、組長に話しかける。



「ふ~ん・・・・・ところで、龍一。俺に対する呼び方が、組長から大和に戻ってるけど・・・・もしかして、何か焦ってんの?」



変なところに勘が利く組長。



「そ、そんなわけないですよ。」



「・・・・それじゃ、俺も勝負にいれてね?」



「何の勝負かわかってるのですか?」



「うん。でかい声が外にまで聞こえて来てたから。・・・小夜を好きなようにしていいんだろ?」



「違います!!!ひとつだけ私がお願いを聞くだけです。」



組長と執事の会話に思わず割り込む私。