「まぁまぁ、大和が見つかったんだからよかったじゃん。龍一もそんなに怒るなよ。」
真木ヒナタが、間に入る。
「・・・ところで、俺が、家出したことになってたのに、サブの家でみんな集まって何してるの?」
組長が、部屋の中を見渡しながら聞いた。
「・・・大事な勝負です。」
執事が、気まずそうに答えた。
「・・・まさか、俺が家出してたの忘れて遊んでいたわけじゃないよね?」
組長の言葉に部屋にいたみんなが顔を見合わせる。
「・・・ち、違いますよ、大和・・・・・・中に入ったらどうですか?」
執事が、少し焦りながら、組長に話しかける。
「ふ~ん・・・・・ところで、龍一。俺に対する呼び方が、組長から大和に戻ってるけど・・・・もしかして、何か焦ってんの?」
変なところに勘が利く組長。
「そ、そんなわけないですよ。」
「・・・・それじゃ、俺も勝負にいれてね?」
「何の勝負かわかってるのですか?」
「うん。でかい声が外にまで聞こえて来てたから。・・・小夜を好きなようにしていいんだろ?」
「違います!!!ひとつだけ私がお願いを聞くだけです。」
組長と執事の会話に思わず割り込む私。


