ワンッ!!
その時、急に窓の外で犬の泣き声がした。
サブが、立ち上がり、窓をあけると、そこには、犬を一匹引き連れた組長が立っていた。
「ねぇ、サブの部屋で何やってんの?楽しいこと?楽しいことなら俺も交ぜてよ。」
うれしそうな組長の表情。
「・・・組長、あなた、家出したんじゃなかったんですか?」
執事が、組長を見る。
「家出?・・・あっ、あの紙見たんだ!・・・・あれは、朝、龍一に怒られた時に書いたもんだよ。結局、小夜の騒ぎがあったから出て行けなかったんだけどな。」
「・・・それでは、今まで何を?」
「えっ、いや、部屋から追い出されちゃったから、しょうがなく、犬の散歩して、ついでにハル婆に龍一に対する愚痴を聞いてもらいに行っていたんだけど?」
「・・・今度から外出する時は、必ず誰かに伝えてから出てくださいね。」
「え~!何だよ、それ?それじゃ、小学生の子供みたいじゃん!」
「いいから、そうしなさい!!」
「・・・はい。言われたとおりにします・・・」
執事に強く言われ、へこんだ様子の組長。


