それを聞いて、なんとなく気が抜ける私。



「・・・賭けって何ですか?」



スタートラインで並んでいた私に隣に立っていたレナが聞いてきた。



「・・・え?・・・あっ・・・何でしょうね?」



今朝、真木ヒナタからレナとのことを聞いた手前、これ以上、真木ヒナタの印象が悪くなることをいうのは、いけないと思い、レナには、賭けのことを知らないフリをした。



「フッ!賭けなんて成立するわけありませんわ!みんな私に賭けるに決まってますから!」



どこまでいっても、自信満々の葵。



しかし、これを、ポチのような人が言ったら、殺したくなるかもしれないけど、葵の外見は、私より背が低い上に1歳だけど、年下。



私は、葵の生意気な態度もどこかかわいく感じていた。



「それじゃ、スタートするぞ!」



真木ヒナタが、朝礼台のような物の上にあがる。



「いちについて・・・・用意・・・・・」



バァ~ン!!



雲ひとつない空に轟音を響かせて、障害物レースが始まった。