「・・・・・・・・やっと、まともな味噌汁が出来てきましたね。」



ポチが疲れた口調でつぶやく。



すでに時刻は、夜20時を回っていた。



なぜ、私が、味噌汁ひとつ作るのに、こんなに時間がかかったかというのは、熊さんの教え方に問題があったからだった。



とにかく熊さんの教え方は、感覚だった。



「・・・これぐらいいれて・・・・・・できあがり・・・・・・」



「・・・・・・く、熊さん、これぐらいのところが一番聞きたいんだけど?」



「・・・・・これぐらいは・・・・・これぐらい。」



困ったような熊さんの表情。



そして、それよりも困った表情の私。