「・・・私にできることだったら、いいですよ。」
私は、少し不安に感じながらも、組長に答えた。
「だったら、膝枕してくれない?」
「膝枕・・・ですか?」
意外なお願いで驚いた表情で組長を見る私。
「・・・やっぱり駄目なんだ・・・小夜の嘘つき。」
私の表情を見て、再び、ゴロゴロと転がり始める組長。
「ち、違いますよ。別に膝枕くらいなら、いいですよ。」
私の声に組長は、一瞬、その動きを止めたが、すぐに私の膝の上にゴロゴロと転がって乗ってきた。
「頭、重くない?」
私の膝の上に頭を乗せて、中庭の方向を見つめていた組長が聞いてきた。
「大丈夫ですよ。」
私は、優しく答える。
しばらくその状態のまま、私と組長は、中庭を眺めていた。
そして、いつの間にか、組長は寝息を立て始めた。


