やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】



「・・・私にできることだったら、いいですよ。」



私は、少し不安に感じながらも、組長に答えた。



「だったら、膝枕してくれない?」



「膝枕・・・ですか?」



意外なお願いで驚いた表情で組長を見る私。



「・・・やっぱり駄目なんだ・・・小夜の嘘つき。」



私の表情を見て、再び、ゴロゴロと転がり始める組長。



「ち、違いますよ。別に膝枕くらいなら、いいですよ。」



私の声に組長は、一瞬、その動きを止めたが、すぐに私の膝の上にゴロゴロと転がって乗ってきた。



「頭、重くない?」



私の膝の上に頭を乗せて、中庭の方向を見つめていた組長が聞いてきた。



「大丈夫ですよ。」



私は、優しく答える。



しばらくその状態のまま、私と組長は、中庭を眺めていた。



そして、いつの間にか、組長は寝息を立て始めた。