やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】



「人を殺してはいけません!」



私は、まるで小学1年生に言い聞かせるように、3人に向って言った。



「・・・小夜さん?」


「・・・小夜?」


「・・・・・・頬が痛い・・・。」


3人が、私に注目する。



「私のために殺してもらっても、ちっとも私は、うれしくない!それよりも・・・・それよりも・・・・その殺した人は、刑務所に入っちゃうんですよ。・・・・私は、もう心配な気持ちで誰かを待つのは嫌!・・・・あんな気持ちになるのは、お父さんとお母さんの時で十分。・・・だから、もう、やめましょうよ。・・・いつものみんなに戻りましょ? 」



私の両目からは、涙が溢れる。



そんな私の様子を見て、大和組長と執事と真木ヒナタは、顔を見合わせる。



そして、3人は笑い出した。



しばらくの間、室内には、3人の笑い声が響いていた。