バシッ!
緊張しきった室内に響く乾いた音。
その音は、私の手から発した音だった。
私は、思いっきり執事の頬を平手で叩いていた。
「・・・小夜さん?」
驚いた表情の執事。
ボカッ!
私は、その執事の言葉には答えずに、次に大和組長の前に行き、大和組長の頬をグーで思いっきり殴った。
「・・・・小夜?」
大和組長も驚いたような表情になる。
さらに私は、大和組長の隣にいた真木ヒナタの頬の肉を親指と人差し指で挟んでつねった。
「何でつねるんだよ!」
真木ヒナタは、文句を言いながら私に詰め寄る。
私は、そんな真木ヒナタには構わずに、再び、執事、大和組長、真木ヒナタと順々に顔を見ていく。


