「どけよ!龍一!小夜のことだけじゃなくて、お前もこの部屋に入る前のドラッグ漬けの女達を見ただろ?あんなことをする外道が、これから改心すると思うか?するわけないだろう!ここで殺しておくのが一番なんだよ!」
興奮した組長が執事にまくしたてる。
「・・・仕方ありません。大和にそんなことをさせるわけにはいきません。」
執事は、覚悟を決めたような表情をすると、拳銃を胸から取り出し、今まで執事がかばっていた鮫田組組長に銃口を向ける。
「お、お前ら、うちの組のバックが、どこかわかってやってんのか?」
倒れている鮫田組組長が、銃口を向けられ焦った様子で言う。
「・・・・汚い仕事を華木組から引き受けているということが言いたいのですか?」
執事が、侮蔑を込めた目で鮫田組組長を見下す。
「ああ、そうだよ。・・・うちを潰すってことは、華木組に喧嘩を売るって事だぞ。お前らにその度胸があるのかよ。」
気味の悪い笑いを浮かべながら、倒れたままで鮫田組組長は、執事を見上げた。


