やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】




洗面所に向う途中、庭の前の廊下を歩いていると、ポチとサルとキジが、木材やシート、大きな発泡スチロールを庭に運び込んでいた。



廊下を歩いている私とポチの目が合う。



「・・・何をしてるんですか?」



ポチと目が合い、しょうがなく話しかける私。



「よくぞ聞いてくれました、小夜姉さん!聞いてくださいよ!アッシ達、朝早くから真木さんにこき使われているんですよ!アッシ達は、小夜姉さんの部下なのにですよ。小夜姉さんから真木さんに文句言ってくださいよ!」



ポチの言葉にサルとキジも私を見つめる。



「・・・・ポチさんが自分で言えばいいじゃないですか?」



私は、巻き込まれるのが嫌でポチのお願いを断った。



「・・・・酷い・・・・部下が不当な労働をさせられているのに、その上司がこんな言い草だなんて・・・・そんなこと言うなら、アッシ達、小夜姉さんの部下辞めますよ!」



強気に出るポチ。



「・・・・ポチさんが私の部下をやめる・・・・・どうぞ、どうぞ。遠慮なさらずにどうぞ。」



私は、笑顔でポチに手を振った。