「みんな、無事か?」


 とりあえず、現状を把握する。


 ホムラは隕石の破片と衝突した。


 大きさはよくわからないが、それは言ってしまえば核弾頭にぶつかったと言っても過言ではないだろう。


 それでいながら、この艦に損傷があるようには見えない。


 それは、艦橋にある船内モニターでチェックできる。


 相変わらず、オールグーリーン艦内以上なしというメッセージが流れている。


 宇宙戦艦という名前は伊達ではない。


 人間の想像をはるかに凌駕する強度。


 この結果を聞けば、研究者たちは喜んでホムラの強度計算のやり直しを始めることだろう。


 だが、いくら戦艦が強度に作られているからといって、中の人間までそうであるとは行かない。


 上下左右にシャッフルされ、天井や壁に否応なくぶつけられた身体は、あちこちで悲鳴を上げている。


 骨折はしてないようだけど、打撲ぐらいは仕方ないだろう。


 後に残らないことを祈るしかない。