「では、役職を発表する。まずは学級委員長。つまりは、この船の艦長だな。」


 クラス全体の緊張感が一気に高まったのが分かった。


 艦長。


 それは船の運搬全てを任され、全員に適材適所に配置する。まさに司令塔。


「ちなみに、立候補者は・・・・ってみんな手を挙げすぎだ。こんなに手を挙げてくれるクラスだったら、本当に先生は楽だろうな。」


 そりゃ、艦長だからね。一番えらいモンね。


「艦長は私に決まっているでしょ?私意外に誰が・・・」


 花子うるさい。


「艦長、斉藤雄二。」


「俺かよ!」


 お前かよ!


 全員の視線が席の一番前に座る、短髪少年のほうに向いた。


「お前のことだ、薄々気がついていたんじゃないのか?」


「そりゃ、この席は裏を返せば、生徒全員を見渡せる席ですからね。クルーの調子を常に見ておけってことでしょ?」


 へ?そうなの?


 でも、少なくとも、雄二の席からだと僕は見えないよね?


 あと、佐々木君も。