「私の事が心配か?」


「王としての貴男が心配です」


 一字一句区切って言うと、ラーンは踵を返して庭園を後にした。

 何でああいう言い方をするのかなぁ。全く、僕はスマルトなんかに揶揄わられていられるほどヒマじゃないんだからね。

 小柄な騎士団長がふてクサれかけていた時、庭園に残った二人は互いの目を見合った。


「騎士団長になって一年経っても、ラーンの性格は相変わらずか」


「あぁ、揶揄われるとすぐああなる。」


「私も17の時に王位を継承する事になってしまったが……、四年経った今でも、『兄が居てくれたら』と思うよ」


「レイガート……か……」