「どうしてそんな暗い表情をするんだ? 悪いのは、私と……クロードだ」
だから、ラーンは気にしなくていい。
ラーンを後ろから抱きしめながら、スマルトは優しく囁いた。
「ケガ、大丈夫なの」
「見た目よりはね。咄嗟にシールドを張ってはみたが、力不足だったようだ」
途中で破れてこの有様だ。とスマルトはまた笑う。
包帯で巻かれた彼の手に触れながら、ラーンは涙を零した。「スマルトに、何かあったらどうしようって思ってた」
「私が国王だから?」
「それもあった。上手く言えないんだけど、僕はスマルトの傍に居られるだけで嬉しいから。スマルトには無事でいて欲しいと思った」
「例え、私が国王じゃなくても……」
ラーンは振り向いて、精一杯の笑顔で答えた。
「スマルトはスマルトだから」
ブルーの瞳が、優しくラーンを見つめてくる。
「‥‥スマルトの瞳が、すごく好きなんだ」
ラーンの銀髪を梳いていた手が躰を強く抱きしめ、全てを包み込むような優しい瞳で視線を捕まえる。
彼を呼ぶ低い囁きが甘い口付けに変わって……。
fin


