「それじゃあ、決着が付くまで、どっちかが倒れるまで試合したってこと? 冗談じゃないよ。僕の所為で二人が傷つくなんてイヤだ」
「ラーンの所為じゃない。これは俺とスマルトの問題で、いつかは決着を付けなきゃならなかった」
「それなら、どうしてこんな事になるわけ。お願いだから、傷つけ合わないで」
みんな勝手すぎるよ。とラーンは頭を抱えた。
不意に勢いよくドアが開かれた。
「レイガート様!」
その声にラーンは身を竦ませた。
ヴァレリスがやってきたのだ。
「一体今までどこにいらっしゃったんですか。帰ってこられたのなら挨拶のひとつくらい……」
「あぁ、そう言えば忘れていたよ。スマルトとの約束に夢中になってたらもうすっかり。それにしてもこの一週間は愉快だった。毎日ヴァレリスと顔を合わせても俺だとバレないんだから」
一人思い出しながら笑う彼に、ヴァレリスは拳を握りしめ、大声をだしたいのを我慢している。


