Hearts! 【BL】

 
 何となく分かっていた。

 たとえ、ラーン自身がそれを自覚していなくても。

 その大きな瞳にはスマルトしか映っていなかったことくらい……。


「……っ」


「大丈夫か、ラーン」


「……ん……」


 傍に寄って、彼の躰を起こしてやると、虚ろな瞳で辺りを見回し始めた。


「――──?」


 ラーンの目に血に塗れたスマルトが映った。


「ど、どうして……?」


 ゆっくりと躰を起こした彼はラーンの横顔に手を添えた。


「良かった……。無事だったんだね、ラーン……」