「反政府の人間かも知れない。注意しておけ」


 反政府組織の人間なら、王家の剣技を知っていてもおかしくないというのだ。

 ──そんなこと言われたって、あの人クロードの友人じゃないか。

 ――もし、仮にヴァレリスの言うとおりだったとしたら、クロードはある意味謀反人になるわけ?

 ―― そんなこと、絶対にあり得ない!


「Ready!」


 ラーンが一人考えている間にも、戦士は入場し、試合が始まってしまった。

 第一決勝戦と同様、二人は見合ったまま、相手の動きを読もうとしているのか止まったままだ。

 ジュネスは決勝戦だというのに、相も変わらず戦いに相応しくない格好をしている。


 ──試合の時くらい、あの黒眼鏡外せばいいのに。