ふと、ラーンは防戦に徹しているようなクロードに不信感を抱いた。 試してみようと、クロードの剣をきつく返し、攻撃を仕掛ける。 クロードは対抗するのではなく、受け止めた。 ──何かおかしい。 ――もしかして、クロードの作戦? 「ごめん、ラーン……」 そんな囁きが聞こえた瞬間。 「──?」 胸の辺りに圧迫感を感じた。 それに気を取られたラーンは剣をはじき飛ばされ、後ろに吹っ飛んだ。 「…………っ痛……」 目を開けたと同時に、顔の横にクロードの剣が突き刺さった。