「行事は特にね。でも、もっとヒマな仕事があるよ」


 興味津々とばかりに聞き返すと、


「日常生活」


 とスマルトは答えた。


「生活に不満でも?」


「はっきり言って、自由がない。守って貰いたくないのに、守られているからね」


「俺とは正反対だな」


「やりたいことは、終わった?」


「勿論。そうじゃなきゃ、戻ってこれないだろ」


 スマルトはレイガートがこの四年間何をしていたかを知らない。

 レイガートから話してくれるまで、待とうと思っているのだ。


「そろそろ戻った方がいい。クロードの嘘がバレないうちにね」


 言って、スマルトは黒眼鏡を手に取った。