普段は優しいラーンでも、戦いの場となれば表情が一転する。

 生き残るためには、ごく普通のことだ。

 ここで相手が負けを認めれば、試合は終了。

 だが、


「勝ったと思うなよ」


 男がニヤッと嫌な笑みを浮かべた瞬間、

 ──ガンッ!!

 けたたましい音がして、ラーンの頬を銃弾が掠めた。

 一瞬でも反応するのが遅れていたら、と思うと背筋に嫌な緊張が走る。

 男を睨み付け、手にしている小銃を狙って、剣を刺す。


「ぐあっ」