戦士の入場ゲートが開く。

 会場は、出場者やら見物客などで既に満員御礼となっている。

 中央の審判員に従って、闘技場に進み出ると、客席から歓声が沸き上がった。

 騎士団長との一騎打ちだ。客が興奮しないはずがない。


「Ready!」


 審判員の合図で試合が始まる。

 ラーンは剣を抜いて構えた。

 いくら自分が騎士団長で、剣技においては首位の辺りにいるとしても、相手を侮ることは出来ない。


「お前が騎士団長だな」


 突然、相手がラーンに話しかけてきた。