「気を付けろよ。お前はもう、団員じゃなく、団長なんだからな」


 彼の手がラーンの肩を叩く。


「分かってる。心配しないで」


 ニコッと笑顔を見せるラーンの肩を、クロードは抱き込んだ。


「──決勝で会おう」


 不意に近づいた彼の唇が、ラーンの耳元で囁く。

 そのまま、軽く耳朶を噛んだ。


「クッ、クロード!」


 何するんだ! と、ラーンが怒鳴る。


「スキアリ。気がゆるんでるぜ」