「私がそれに出場すると、何か困ることでもあるのか?」


「困るも何も、貴方はこの国の王なんですよ! 何かあったらどうするんですか!」


 怒るラーンを見る彼は、なぜか楽しそうに笑っている。


「――それは、私を心配していると取っていいのかな」


「好きにしてください」


 最近のスマルトはどこか変だ。

 ラーンは、そう思わずにはいられなかった。

 公私関係なく、言葉を交わす度、意地悪というか、突っかかってくる……気がする。

 とにかく、ラーンに対する態度が以前と変わってしまった様に思えるのだ。

 ――僕が何かしたか? 身に覚えがないよ。