「……スマルト?」


 俯いていた彼の瞳からは、涙がこぼれ落ちていた。


「……お帰りなさい、レイガート兄さん」


 それが、今の彼にとって、精一杯の感情表現。

 色々な思いが込み上げてきて、レイガートがここにいることでさえ、夢のような気がしてならない。

 ──逢いたかった。

 四年間、ずっと待っていた。

 何度、兄さんが居てくれればと思ったことか。


「泣くなんて大袈裟だな。俺はちゃんとここにいるよ。──もう、ナイティアから離れたりしないから……」


 スマルトの肩を掴んで、レイガートは笑んで見せた。