二人だけの約束。 スマルトは、レイガートの『戻ってくるから』という言葉を信じて四年間を過ごした。 今年がその四年目。 スマルトは暇を見つけては庭園でレイガートの帰りを待っている。 「レイガート……」 ──君が帰ってきたら、私はどうなるのだろう……。 ――君を頼らずにいれらるのだろうか。 今は、月の映らない噴水を覗いて。 でもそこにあるのは自分の顔。 昨晩は、兄の姿が映っていた。