彼は、軽く溜息を吐いて、


「何度も言ってるだろ、君は国王で、僕はその国王に忠誠を誓った騎士団の団長。普通に喋ってると周りが煩いんだよ」


「気にしなければいいさ」


「そんな訳にはいかないよ!」


 どうして? と、さも聞きたげなスマルトにラーンは肩を落とした。

 ――こんな事ばっかり繰り返しているから、僕はいつまでも騎士団内の話のいいネタになってしまうんだ!


「――で、『公開決闘』が何だって?」


「……国王が決闘に参加なさるというのは本当ですか」


 ラーンに背を向けて、スマルトは何も言わずに噴水を眺めている。


「国王……」