「――かったるい……」 ラーンは窓の外を眺めながら、何気なく呟いた。 「何が『かったるい』って?」 不意に掛けられた声に、彼は振り向いた。 「よぉ、騎士団長サン」 「……やぁ、悩みのないクロード君」 「乾いた返事だな。ははーん。ヴァレリスになんか言われたんだろ」 ――何でクロードはいっつもにへらーんと笑っていられるんだろ……。