この男の名前は、和山廉。まだまだ青春中の高校二年生だ。


「おーい。廉」

 先程驚いていた女生徒の声。

「ってもう昼休みか! やべっ。売店のパン、まだ残っているかな……」

 と独り言を言って女生徒を無視する廉。

「ねえ。れ−−」

 ん。と言い終わる前に急いで駆けていった廉。

 一人教室に残された女生徒は、笑顔になると、そのまま動かなくなった。