「あ、そっか。俺が言いふらさないか、心配だよな」
ピンッと髪を引っ張られ、その拍子に顔を上げて、神藤くんを見る。
「大丈夫」
息が止まる。
神藤くんがあたしの毛先にキスしていた。
俯きながら、髪に唇で触れ、その瞳はあたしを貫いている。
「別に言いふらして得するわけじゃないし、内緒にしておくよ」
「あ、ありがとう」
もう一度後ろに下がろうとしたけど、もう背中は壁と窓についていたので、下がれなかった。
でも、その拍子に髪の毛が神藤くんの手からはなれた。
髪をかきあげ、手を下ろしていき、さっきキスされた部分を握りしめる。
ドキドキが加速する。
その心を落ち着けていると、あとから言われたことが頭にしみこんできた。
「え、内緒にしてくれるの?」
驚いて、彼をあらためてしっかりと見る。
笑顔が消えて、真面目な顔になった彼が何を考えているのかわからない。



