「戻ってきた」
「あ、ホントだ」
神藤くんの動きが気になって、自分の髪に注意が向いたので、何が戻ってきたのか、すぐにわかった。
毛先から、色が元の茶色に変わっていた。
「よかった。赤いままだったら、どうしようかと思ってたの」
その言葉を聞いて、神藤くんがフッと笑った。
「そうだな。あんな色じゃ変に思われる」
言いながら、神藤くんがあたしの髪の毛をくるくるといじるから、あたしは困ってしまった。
「ねえ、神藤くん」
「うん?」
「あ、あの」
言えないまま、うつむいてしまう。
ダメだ。
神藤くんの笑顔を見ると、言葉が出てこなくなる。
彼が近すぎるんだ。
血を飲んで満足して、血の衝動はおさまったはずなのに、どうして今もドキドキするんだろう。



