淋しがりやのルビー


自分のしたことに気づき、体がガタガタと震えだす。


人を傷つけることが怖いなんて言っておきながら、ためらいもなく牙を立ててしまった。



生まれてから100年近く、血液ジュースを飲んだこともあれば、

そのジュースができる前は人から少しだけちょうだいしたこともあった。


できないわけじゃない。


どれも自分の命を繋ぐため必要にかられてだった。


人に牙を立てることは怖いと思うけれど、飲む前にはきちんと考えて決めていた。



それなのに、初めて衝動的に人を襲ってしまった。


あんな風に見境がなくなって、もしかしたら神藤くんの体内の血をすべて飲んでいたかもしれないと考えるだけで、鳥肌が立つ。


あたしの行為は人が動物を食べることと何も変わらないはずだけど、

相手が自分と同じようにしゃべって考えて、意思の疎通をはかれると思うと、そんな簡単には割りきれない。


「……今、何をしたんだ?」


神藤くんが首筋をおさえながら、あたしの瞳をまっすぐ射抜く。


その声はいつもよりかたく、低く、緊張をはらんでる。