「雛……」
血管に狙いを定めて、長く伸びた2本の歯をあてる。
ズブッと肉を食い破る。
血液が口にあふれ、喉を潤す。
ゴクン、ゴクンと飲み、口を放した。
ああ、もっと飲みたい。
起きあがろうとする彼の肩をおして、自分のつけた二つの傷跡を舐めた。
そして、そこを吸って、再び血を飲もうとする。
そのとき、「雛野、雛野!!」という呼びかけとともに、胸をドンッと叩かれて、ハッとした。
あたし、なにをした?
焦点の合わない瞳を神藤くんに向ける。
ぼやけた視界のピントが合い始める。
その首筋には、赤くなった二つの牙のあと。
自分のしたことを裏付けるように、口の中に広がる濃厚な血液の味。
あたし、神藤くんを襲った!?



