「いたっ」
神藤くんが背中を打ったのか、痛みを訴えるけど、構っていられない。
テーブルに片膝をつき、彼の上に乗る形でその動きを押さえる。
右手は彼の肩。
左手は下に伸ばし、膝の傷に触れる。
「雛……野?」
手についた血をぺろりと舐める。
(おいしい)
あのトマトジュース混ざりの血液なんて比じゃない。
純粋な血液。
最高のごちそう。
右肩を押さえる手の力を強める。
痛みはもう引いていた。
これが吸血鬼の力のひとつ。
血液を体内に取り入れれば、驚異の回復力を見せる。
あたしの瞳がとれえるのは、彼の首筋のみ。
左手で今度はそこをなぞると、体をかがめて、彼の首筋に顔を寄せた。



