顔をのぞかせたのは男の先生だった。
「はい、ちょっと待っててください」
声を張り上げると、先生はこちらに向き直る。
「ちょっと行かなきゃいけないから、自分ではってもらってもいい?」
絆創膏とシップを差し出され、うなずきながら受け取った。
「それじゃ、ごめんね」
先生はクルリと背を向けると、廊下に出て、扉をしめた。
「シップ貸して。自分じゃはりにくいだろ」
「あ、うん。ありがとう」
神藤くんがシップのフィルムをはがして、あたしの手を掴む。
顔が近づく。
あ、ヤバい。
血が近づく。
「し、神藤くんはその足、こけたの?」
気を紛らわすために、話をする。
「ああ。ディフェンスで足滑らしてしまって」
「そっか」
そっけない返事しかできない。



