淋しがりやのルビー


血が騒いでいるせいか、手の痛みがひどくなる。


ズキズキする手をおさえながら、早足で校舎の外から保健室を目指した。



保健室の出入り口が見えてくる。


保健室は廊下からだけではなく、校舎の外からも入れるようになっているんだ。


保健室の出入り口であるすりガラスの引き戸をガラガラッと音を立てながら開けると、ぶわっと血の香りが鼻を直撃する。


思わず、左手で口と鼻を覆い、うつむく。


「あら、あなた、大丈夫?」



「え?」


その声で顔をあげると、ピンクのブラウスに茶色のスカートの上から白衣を着て、長い髪を後ろにくくった養護教諭がこちらに向かって来ていた。


「気分でも悪いの?」


手を肩において、あたしを覗きこみながら言った。


長いまつげに少しつりあがり気味の目、細く書かれた眉毛、赤い唇。


綺麗な先生だ。


口を覆っていたから誤解されたと気づいて、すぐに首を横に振る。