神藤くんの顔を見ると、いたって普通の顔。
血液だなんてばれるわけないよね。
落ち着け。
「今日の昼休み、飲んでただろ」
「う、うん」
がんばって笑顔を作って、返事をする。
「野菜ジュースは飲んでるヤツ多いけど、トマトはめずらしい気がして」
「そ、それ、友達にも言われた。でも、トマトジュースは、あたし大好きだよ。それより、神藤くんって告白されたからって付き合ったりしないんだね」
慌てて話題を変えようとして、「しまった!」と思ったときには遅かった。
なんて話しにくいことを聞いてしまったんだろう。
神藤くんがすぐに口を開かないから、余計に怖い。
肩ごしに神藤くんの顔を見ると、口をかたく引き結んでいた。
「あ、あの、ごめんなさい。変なこと聞いて」
話したくないことなのかと、笑ってごまかす。
「いや、いいんだ。隠すような理由じゃない」
耳の少し上から、神藤くんの声が心地よく届いた。



