La chose qui l'a perdu~失ったもの~

「よう来たの、ルノン」

中に入るとフードを深く被った人物がいた

顔は見えないが、フードから少し見える髪は

血のような色をしていた

「お久しぶりです、師匠」

ルノンはその人物に軽くお辞儀をした

「あぁ……後ろの男は誰だ?」

「彼はセグです」

「……はじめまして」

セグが軽くお辞儀をすると

その人物はセグに近づいてきた

「……私はサーチェだ」

「サーチェさん、ですか」

サーチェと名乗った人物は頷くと

本棚へ近づいて何かを探し始めた

「……なぁ、ルノン」

「なんですか?」

「サーチェさんは何探してるんだ?」

セグがそう聞くとルノンは首をかしげて

サーチェの近くへ歩いていった