“場所を変える”の言葉は、さらに私の気分を重くしていた。
それでも少し距離を置いて、英大について行くしかない。
私から貴方に、別れをキチンと伝えなければならないのだ。
少し冷たさを帯びた、秋風が頬を掠める中を歩いていく私たち。
いつも並んで歩いて来た、下町風情の漂うココが好きだった。
古ぼけた商店街で、よく食材を買ったりしたよね?
見慣れた大好きな風景ですら、何となく少しずつ色褪せていくの。
まるで、私たちのエンドを物語っているように・・・
「どういうつもり?」
「どういうも、何も…」
わざわざアノ場所で告げたのは、私なりの理由があった。
「そんなんで納得すると思ってんの?」
それは、こうして英大のアパートに来て話したくなかったから。

