ケーキのオーダーは、必ず2コと決めていたらしい彼だけど。
ショートケーキを頼むのは、絶対に変わりはしなかった。
2年以上も一緒にいるから、こんなコト分かってるのに。
こんな何気ないやり取りさえ、もう出来なくなるから・・・
今日の私はもの凄くドキドキしながら、タイミングを窺っていた。
言おう、言おうと思っていたけど、ずっとズルズル引き伸ばしていて。
ギリギリまでいえなかったけど、もうダメだから・・・
「英大(エイタ)、別れよう…?」
「は・・・?」
今まで笑い掛けてくれてた英大は、丁度ケーキを口に運ぶ最中で。
フォークからは綺麗に掬われたシブーストが、皿へと形を崩して落ちていく。

