だけど英大と一緒にいると、密かにカウントを刻む自分がいて。
“あと何回出来るかな…”
そんな風に思っては、泣きたくなるほど苦しかった。
英大の優しい笑顔を見せられる度に、言いたくなったけど。
それでも1ヶ月間、見事に私は彼を欺いてしまったのだ。
仕事を円満退職した私はもう、明後日には地元の三河へと帰る・・・
「ねぇ…、英大に言いなさいよ」
「え・・・」
全てを白状し終えると、私をジッと見据えている絵美。
「だから、誤解しないでね?
自分の弟だから、肩を持ったりするん訳じゃなくて…。
このまま帰ったら、絶対にお互いの為にならない!」
「・・・・・」
絵美の言葉は尤もだったけど、頭を振ってNOと返した。

