愛 離~求め続けたモノ~



私が発する言葉で、優しい貴方が困ってしまうから・・・



絵美の弟らしく、やっぱり成績優秀な英大。



彼がこれから就職する先は、外資系の金融関連会社。




まさに、今から出生街道に乗ろうとしているトコロで。




もうすぐ実家に戻ってしまう年上オンナが、彼の未来を潰せないの。




こんな年上オンナより、未来ある貴方にはもっと相応しい子がいるから。




電話を切ったあとは新幹線の中でずっと、すすり泣いていた・・・






「本当に、急で申し訳ありません…」


「非情に残念だが…、事情が事情だしな…」


東京に戻った翌日、出社した私は退職願をすぐに出した。



事前に事情を話してあったから、驚かれることはなかったけど。



まさか大好きな仕事を、自ら辞めるとは思わなかったな…。