2日の有給を消化して、最終の新幹線で東京へ戻った私。
発車した新幹線の中で、ようやく彼に電話をする事が出来たのだ。
「もしもし、美波!?」
「うん、電話出来なくてゴメンね?
お父さんの方は、大丈夫だから…」
「そっか…、よかった…」
「うん、ありがと…」
もの凄く心配している彼の声色が、ホッと安堵した涙声に変わった瞬間。
本当は泣きそうなくらい、胸がギューッと締めつけられた。
「美波、良かったな…?」
「う、ん…」
私の家族を心配してくれる優しさに、そのまま甘えたくなった。
だけど言える訳ない、言っちゃダメだ・・・

