にわかに、信じられなかったのかもしれない。
それとも、信じたくも無かったのかもしれない。
父の命が…、あと半年で消えてしまうなんて・・・
医師の説明を受けていた間は、ずっと泣いていた母も泣き止んでいた。
ムリして笑った表情が、あまりにも痛々しかったけど…。
ガラガラ――
説明を受けたあとは、眠っている父の病室を訪れた私たち。
1年ぶりに対面した父が、まさかこんなコトになるなんて・・・
「よう眠っとるな…?
ガンやなんて…、思えん」
フフっと力無げに笑う母の傍らで、とうとう涙がポロッと零れてしまった。
「お父さん…っ――」
懺悔と罪悪感と悲しい気持ちが、名前を呼んだだけで入り乱れて。
父との時間に時限を作られた事実が、苦しさだけを覚えさせた。

