2年以上経って、少しクタッとしてきたキーケースごと机上に置いた。
それには私たちを繋いでいた、このアパートの合カギだけがついている。
「バイバイ…」
そのまま深くを話すことなく、思い出の詰まった部屋を飛び出してしまった。
ドアを閉める時に見えた、英大の表情が残像となって思い出されていて。
苦しくて、苦しくて、涙がボロボロと溢れ出てきた…――
「っく、…っ・・・」
自宅のマンションに戻った私は、それからずっと涙に濡れていた。
堪えようとしたって、止めようとしたって、何をしてもムリだから。
それなら今日だけは…、思いきり英大を思って泣いていたい。
今も変わらず愛おしい、大好きな貴方を思って・・・

